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流浪の月のmisaのレビュー・感想・評価

流浪の月(2022年製作の映画)
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「更紗は、更紗だけのものだ」

どうか、お願いだから、
2人のことは放っておいて
誰にも理解されなくていい
誰も分かってくれなくていいから
お願いだから2人の邪魔をしないで
これから2人が静かに、平和に、
幸せに暮らしていけますように と
心から強く願った

友情でも、家族でも、恋愛でもない
だけど心の底で深い深い絆で
結ばれている2人
心に大きな穴があり
お互いにそれを埋め合って
お互いがお互いの生きる希望になった2人
一体誰が彼らの関係を理解できるのだろうか
世間から見たら誘拐犯かもしれない
その被害者かもしれない
だけど、2人には
2人にしか分からない繋がりがあって
それは可哀想でも、洗脳なんかでもない
世間は、私達は、
自分が見たいと思うものしか見ない
当事者達がいくら異を唱えたところで
誰も理解してくれない

原作が大好きで李相日監督の作品を
大きなスクリーンで見ることは
密かに夢でもあったから
本当に夢のような2時間半だった
原作をここまで忠実に再現してくれるとは
思っても見なかったから圧倒された
あの公園も、カフェも
原作を読んでた時に思い浮かべてた情景と
全く同じで、本当にただただ圧倒された
光、空、月、風、シルエット、川の流れさえも
全てが2人の気持ちを表していて
本当に1秒も無駄な場面がなかった
とても重厚的な作品だし
余韻も凄ければ体力も凄く使う作品だったので
2回目も観ようと思うまでには
少し時間がかかりそう もちろん良い意味で

役者達の演技にも圧倒された
すずちゃん、桃李くん、多部未華子ちゃんはもちろん
今回は横浜流星君の優勝だと思う
「青の帰り道」の時に只者ではないと思ったけれど
やっぱり彼の演技力、すごいよ…!!!
イケメン俳優(?)で売り出すのやめよう!!!
こういう作品、もっと出てほしい!!

間違いなく今年の賞レースを席巻する作品になると思います
原作もとても素晴らしいので
映画が好きだった人は
原作も手に取ってみてください🌿
misa

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