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流浪の月のkyokoのレビュー・感想・評価

流浪の月(2022年製作の映画)
3.8
『八日目の蝉』の悲恋バージョンかと勝手に思っていたけれど、人間が持つ様々な「嫌悪」と生きづらさ(でも結局は養育環境の影響大)に、今となっては避けては通れない現代の社会問題(SNS)を加えた、なかなかヘビーな150分。
いちいち暗転するのが「ダサっ」って感じだったし、ちょいちょい違和感やモヤる箇所はあったのだけど(松本市民はもうちょっと優しいはず)、脚本や演出よりも、演者たち自らが引っ張る力を持っている作品だと思う。主役ふたりは「頑張ってますね」としか言いようがないのだけど、恐るべし子役No.1の白鳥玉季ちゃんは完全に桃李を食っていたし、子役から大人への変換が見事すぎ(逆声変わりは残念)。横浜流星のヤバさはステレオタイプが過ぎるだろと思いつつ、汚れ具合は完璧。
そしてなんといっても一番は内田也哉子。樹木希林のDNA(と言われるのは嫌かもだけど)が凄みとなって滲み出てたのはちょっと鳥肌ものだった。


柄本明はあのビルのオーナーではないの?じゃないにしても、いかにも雰囲気ありげに登場した割には、その後あんだけまわりで不穏なことが起こってるのに、まったく出てこないのが超不思議だったんだけど。
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