久遠

流浪の月の久遠のレビュー・感想・評価

流浪の月(2022年製作の映画)
5.0
圧倒された。現実にしか見えない名演と、青と黒が際立つ映像美。更紗に感情移入し過ぎて本当に震えが止まらず胃が千切れるかと思った。物語の深くまで、自分自身まだ沈みきれていない気はするけど、ふたりが真に邂逅する場面は涙せずにはいられなかった。傑作。

極限まで絞ったであろう松坂桃李の体が露わになるシーンは、同時に愛する者だけに胸中を明かす決定的な場面でもあり打ち震えた。また、特筆すべきは何と言っても広瀬すずですよ...もうね、全カット凄すぎるから。

150分の長さは、しっかりと感じるタイプの映画なので、後半は展開が読める分やや退屈したかな。それでも、ラストシークエンスが素晴らしいので帳消しですよ。李相日監督作品が苦手な人は同様に否だろうけど、自分は断固支持!あと、白鳥玉季ちゃんの声がすずさんそっくりで驚いた。
久遠

久遠