のぶ

流浪の月ののぶのレビュー・感想・評価

流浪の月(2022年製作の映画)
5.0
今回も素晴らしい映画を制作してくださった、李相日監督に感謝。。儚いけれども美しい関係性を描いてるのは、イーストウッド監督作品のパーフェクトワールドに少し近い作品かなと思った。
二人の間に「愛してる」という言葉も、愛を確かめるためのセックスも、1度たりとも映画の中では出てこない。それでいて、恋愛を超えたなにかもっと複雑で深い関係性。互いに大きな欠陥を持っていてもう一度出会ってはいけないと自覚していながら、自然に惹かれあっていく。たぶんお互いの全てを何も先入観なく受け入れてくれる相手を、互いに求めていたんじゃないだろうか。だから、世間に何を言われても表情を変えなかった文が、最後の最後に文字通り裸になってありのままをさらけ出すのには、震え、拒絶していたんだと思う。なぜなら、小児愛性障害という自分自身の闇を知られたくなかったから。
松坂桃李の最後の叫ぶシーンと、更紗が子供の頃に湖のほとりで手を握りしめ続けるシーンで特に泣いた。(他にも沢山泣いたシーンはある。)もうそっとしておいてあげてと何度も思ってしまった。
お互いがこれから少しづつ幸せになっていけることを願う。
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