ちえりんご

流浪の月のちえりんごのレビュー・感想・評価

流浪の月(2022年製作の映画)
4.3
見応えがあっていろんなメッセージを感じた作品だった。

家庭環境が複雑で問題を抱えている更紗が唯一心を開けたのが文だったけれど、一般的には女児誘拐監禁になってしまうのはどうやっても変えることができない。

文に申し訳なさと罪悪感を感じながら生きてきた更紗の涙に対して文が温かく更紗をなだめるシーンには涙が止まらなかった…離れていた間もお互いを思い合ったから再会できたのだと思う。
恋愛感情よりももっと強いもので繋がっているとはこういうことなんだなって。
好きを超えた、お互いを強く結びつけているものを周りは引き離すべきではないと。

いくら時間が経ってもネットではずっと追いかけ続けられる。私が知らないだけで世の中ではそうゆうのがあるのかなと。名前が公表されてしまうといつまでも追いかけられる世界なんだと。名前を公表された被害者が普通通りの生活を送るのは私が知らないだけでとても困難世の中なんだなと。

セクシャリティーについても、小児性愛者について知識もなく異常者と思ってしまうが、本人が1番辛いこと、隠していたことを明るみに出されてしまうこと、誰からも受け入れてもらえないことなど、この作品を通して性について理解していこうと思った。

2人だけの世界を誰も邪魔して欲しくない、2人で強く生き抜いてほしいと最後はそんなことを思いながらエンドロールを聞いてました。
ちえりんご

ちえりんご