にっこりくん

流浪の月のにっこりくんのネタバレレビュー・内容・結末

流浪の月(2022年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

李相日監督の作品ということで、ずっと見たいとワクワクしながら見た。
本作を見ながら「月」について、思考を凝らしながら鑑賞した。
月はどこか女性的で、日によって表情が違うものという印象があったが、調べるとそれだけじゃなく、「成長」三日月には「予兆」という意味が会ったそう。これを知っていれば、ところどころ映る「月」にもっと着目できたはず。

恐らくここでは、タイトルの月は主人公の更紗を表すと思われる。幼少期に文と出会い、それ以降満ち足りることなく、他人と成長をしてきた彼女は「流浪の月」そのものであり、文が話していたように「誰のものでもない」更紗は、誰のものにもなれなかった月だったのだろう。
文が、性発達が未熟であり、更紗に触れたくても届かないという解釈が合ってるのであれば、文にとっても更紗は手が届かない存在であり、「月」のような存在なのは変わりないと思われる。

性愛を純愛だと思わせるような映画が最近多い中、サスペンスも交えながら、本当の愛を見た気がした。
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