たけぞう

流浪の月のたけぞうのネタバレレビュー・内容・結末

流浪の月(2022年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

この映画を観て抱いたのは、この救いのない結末に対し、なぜもっと上手くやれなかったのかという悶々した気持ち。

何らかの理由で両親を失った女子児童に対し、養父や受け入れ先の家族等から性的虐待をうけるというのは、残念だがよく耳にするニュースだ。
よく耳にするのも氷山の一角で、今回のように事実として明るみに出てないケースの方が多いだろう。

文の様に、公園で様子のおかしい少女に手を差し伸べたこと、それ自体は人として正しいことであり、それを少女も心から感謝していた。

だとしても世間から見れば誘拐と見なされてしまう。
女子児童の発言は裁判の中では参考程度にしか受け止めてもらえない。

文自身の心情はどうであれ、事実だけを客観的に見れば文は正しいことをしているのに、日本には第三者が少女を救済するためのハードルが高いように感じた。

とはいえ少女を救済するのであれば自分の潔白を証言できるようにもっと周りの大人たちを巻き込んでするべきであったし、大人になって週刊誌にとられたタイミングでは記者会見を開くべきであったと思う。

ただ、そのためには更紗も本当のことを言わなければならないわけで、女性側からすればそれはなかなかに難しいことだと知人が言っていたので、そうなのだろうとは思う。
ただ、自分が更紗の立場であったなら、やるべき事は一つだと感じた。


と、まあここまで観るものを入り込ませるくらい出演者の演技は素晴らしかったです。
広瀬すずと、横浜流星の掛け合いのシーンとか、言葉にならない言葉がうまく表現できてて素晴らしかったです。
たけぞう

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