きのと

流浪の月のきのとのレビュー・感想・評価

流浪の月(2022年製作の映画)
4.3
邦画のあの独特なじめっとした雰囲気が苦手で、わざわざ映画館で観る必要性が感じられないんだけど、これは映画館で観て良かった。光を反射するガラス玉やマジックアワーの空、丈の長いカーテン、強く打ちつける雨、禍々しい湖、光を得た月etc、綺麗で印象的な映像に惹かれる。

役者の演技はみんな期待以上でしたが、特に広瀬すずの繊細な表情の変化や横浜流星のイケメン俳優の殻を破った体当たりの演技が光ってた。怖いのに可哀想とも思わせるなんて末恐ろしい。


↓以下、ネタバレあり





文と更紗はお互いがお互いの救いになる存在だったけど、それを世間は被害者と加害者としてしか見てくれなくて辛い。
文はロリコンって言われてるけど、ただ純粋に更紗が好きだっただけでは?大人になってから一緒にいるのを誰に邪魔する権利があるんだ?原作読んでないので解釈違いかもしれないけど。
終盤、カフェで文が言った「ここに居て良いよ」がめっちゃ優しくて響いた。二人が二人にしかわからない関係性のままずっと一緒にいて欲しいなと思った。

可哀想な子を見つけて帰りたくないとか言われたら自分もうっかり誘拐しちゃいそうで怖い。気をつけよう。
きのと

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