原作既読。
いかに映像化されているか不安だったが、
実によかった。
話題の原作をもとにした映画は、
重要シーンでもモノローグで説明させて終わり、とか、
ひたすら原作をなぞるだけ、とか、
映像にする価値があったのか?と失望するケースも多い。
一方、本作は、削るところは削り、映像だからこそできる表現を追求する、制作陣の本気の姿勢を随所に感じた。
細かいところに目をつぶれるほどの、
圧倒的な映像美、丁寧なストーリ展開。
さすがの李監督の手腕である。
*とはいえ違和感が残るシーンはある(例:警察が文・梨花のもとに(逮捕状もないまま)強引に乗り込む、しかも週刊誌が出てからしばらく経ったあと、等)。が、これは原作も同じ。
文と更沙は、これからも流浪を余儀なくされるだろう。
だが、これまでのようにバラバラに流浪するのとは全く違う。
二人の将来は決して容易いものではないだろうが、
希望を感じられるラストに感動を覚えた。