ムーハカナゲ

流浪の月のムーハカナゲのレビュー・感想・評価

流浪の月(2022年製作の映画)
3.6
原作が好きだったので見てみました。

★面白かった点
→凪良ゆう作品ならではの苦難に満ちた人生がしっかりと映像化されている
…小説もそうなのですが、映画も観ていて胸が苦しくなりました。

→物語のクライマックスで文の秘密が明かされるシーン
…これまで積み重ねてきたシーンが全て辻褄が合い、オセロが一気に裏返るような感覚を覚えました。

→白鳥玉季による子供時代の更紗の演技
…子供なのですが、どこか大人にも見えるような絶妙な演技で引き込まれました。

→横浜流星による亮の演技
…This is DV!とも言えるようなDV彼氏の演技が凄かったです。原作でも衝撃的でしたが、映像になるとさらにインパクトがありました。

▲惜しかった点
→2時間半は長く感じた
…原作もすごいボリュームなのですが、映画も2時間半の大作!途中、やや緩慢さを感じる部分もあったので、もう少しコンパクトにまとまったら良かったと思いました。

→谷あゆみの掘り下げ
…現在の文の彼女、谷あゆみは、原作では結構深いエピソードがあったのですが、映画ではバッサリカットされており、いわゆる“普通の彼女”のように描写されてしまっていたので、その点は残念でした。

◉まとめ
小説もそうでしたが、この映画を観ても、「普通とは異なる特性を持って生まれただけで、これほどの苦難の道を歩むのか」と非常に考えさせられる物語です。
後半になるにつれて文の感情があらわになってくる点も非常に見応えがありました。
難しい小説を丁寧に映像化してくれた作品だと思います。
ムーハカナゲ

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