Nove

流浪の月のNoveのレビュー・感想・評価

流浪の月(2022年製作の映画)
3.9
淡く切なく、そして辛い。
本当のことは、本人にしか分からないのに、周りは憶測でものを言う。
幼児期のトラウマ、親の問題、家庭の事情、それらを全て受け入れざるおえないのが子どもだ。
普通に暮らしたいだけなのに、その普通を手に入れることができない子どもがたくさんいる。
大人になっても消えることはない。
どこかにずっと、その傷を抱えたまま生きている。
助けることが、社会からすると犯罪にもなる。
犯罪が隠されて、普通に生活している者もいる。
こちらから見たら美談でも、別の視点からすると社会的に問題視される。
センシティブなテーマを絶妙なバランスを保ちながら、月が欠けるように静かに消えていく。
行き場のない者たちが寄り添うには、この社会は明るすぎる。
Nove

Nove