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ARGYLLE/アーガイルのBremingerのレビュー・感想・評価

ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)
4.2
キングスマンシリーズのマシュー・ボーン監督の最新作もスパイ!この心意気に応えるべく鑑賞。

フォーマットがキングスマンなので、色々と既視感こそありましたが、楽しいシーンが多く、程よい展開の目まぐるしさもあって娯楽作として最高の一本でした。

作品としてはポスターに映ってるヘンリー・カヴィルが主役のアクションものなんだなーくらいの印象で映画を観に行ったんですが、この「アーガイル」という物語を書いてる作者のエリーが主人公で、道中スパイや組織に巻き込まれていくというのが本筋だったので、あらすじ見ないで映画観るのもいいな〜と思いました。

マリカーみたいなカーアクションはスパイ映画っぽくない始まりで、良い具合に遊んでるなーと早速楽しくなったんですが、ジョン・シナ演じる相棒が逃げる敵をとっ捕まえるシーンでまた口角が上がりました。ジョン・シナは出番こそ少ないですがしっかり印象に残ったキャラでした。

初っ端の電車内バトルはスピード感満載で、狭いフィールドの中でもガンガン殴り合ったり、アイテムを使って道を切り拓いたり、脱出する時もド派手と、見た目もっさりなサム・ロックウェルからは想像できないスタイリッシュさがとにかく楽しかったです。

エンジン全開で暴れ回ってくれるので、その後も止まる事なくアクションをやりまくってくれますし、ちょくちょく笑いどころや物語を進めるための緩急も挟まっているので全体通してのバランスも良かったと思います。若干時系列の分かりづらさはありましたが、それでも勢いで飲み込んでくれるのは快感でした。

エリーが実は敏腕スパイで洗脳されていたという謎解きは意外だなと思いましたが、危機的状況でもサクッと切り抜けれたり、割と冷静だったなというところがしっくりきたのでなるほどなと納得できました。
スパイに戻ってからは洗脳されたり戻ったりを頻繁に繰り返しますが、当人は淡々とやっているので笑いになりそうなところでも曲げずに真面目にやり切ったのは好感が持てました。

基地でのアクションは序盤中盤のアクションを超えていくクオリティでした。
スプレーを撒き散らしながら敵を圧倒していくスローなアクションは目が大変になるレベルのカラフルさで、時々2人でアイコンタクトをしていくのが面白かったです。
終盤に最高のアクションシーンが備えられていました。スケートしながら銃乱射しまくるわ斬りまくるわの大盤振る舞いでニッコニコしながら観ていました。このアクションシーンはある種の革命だと思うので、アクション映画の教科書に載っけてほしいレベルでした。ここが観れただけでも儲けもんです。

オチ自体はクスッとさせる感じの日常なのも良かったですし、製作陣も「アーガイル」の小説の映画化を目論んでそうなのでこれは楽しみです。ヘンリー&ジョン・シナのテンポのいいスパイ映画も待ってますよ〜。
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