ARGYLLE／アーガイルのツクヨミのネタバレレビュー・内容・結末

アホらしい少女マンガから始まりどんでん返しと勢いで全てをぶち破っていくバカらしさに全力で笑って泣いた、マシューヴォーンのスパイ映画遊び。
マシュー・ヴォーン監督作品。"キングスマンファーストエージェント"以来の新作が公開、今回はキングスマン関係ないらしく謎だったが挑んでみた。
まずオープニング、ゴリッゴリのラフスパイムービーみたいなテイストからスタート。初っ端キレッキレな構図美で魅せ華麗にキメたかと思ったがジープみたいな車両でワイスピみたいな動きをするCG感に爆笑、そしていつのまにか小説の語りにつなぐちょっとしたメタ視点にふーん今回はこんな感じかと見てた。
まあ前半は少女漫画のクラクラ女の子の如く、スパイ暗躍に巻き込まれてしまう人気小説家を眺める感じが流石に寒い。一体何見せられてんだとずっと思うんだが、いろいろとサムロックウェルと角刈りカヴィルがカットバックしまくるギャグ絵面は笑える。もはやボンド映画におけるアホなボンドガール視点てこんなもんかと考えるとまだ見れるかなって感じたがけっこう冷めた。
しかし中盤のやや説明的などんでん返し展開でまたあーそういうやつねとちょっと楽しくなってはきた感じ、記号的に散りばめられた要素が伏線的な回収を見せるのがちょっと秀逸ではあった。
そしてどんでん返し連打からの終盤の盛り上がりがマシューヴォーンしてて最高、やっぱりこの人のアクションて魅せるスタイルが映像美キメてて良いんだよなと改めて感じる。カラフルな煙幕の中構図美をキメ、キレッキレで踊りながら戦う二人に爆笑しつつ美しさで泣くヘンテコ映像体験。からの"トランスポーター"かよなオイルフィギアスケートがキレッキレかっこよすぎ問題、ブライスダラスハワードのちょっとぽっちゃり体型とのギャップもあって流れから一気にテンションがMAXになる高揚感が堪らない。
いやはや前半の鬱憤を伏線として昇華しつつ、真の主人公に帰結するアーガイルことレイチェルカイルに拍手なスパイ映画でけっこうな満足感。最近記憶に新しい"マダムウェブ"みたく予告編もとい希望をへし折って自ら主人公に帰還するスタイルがやっぱり好きだ、しかしそれ含め全編バカらしすぎる展開の嵐のため酷評も理解できる大バカ映画。でもやっぱりマシューヴォーンのギャグと魅せるアクションがきっちり見られる作品ですげー好きな作品になった。まさか実質キングスマンのスピンオフとは、たまげたね。