5軍の控え

ARGYLLE/アーガイルの5軍の控えのレビュー・感想・評価

ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)
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虚実入り混じりながら逃避行を続けるメタフィクションで
入口は面白そうと思いました

主人公はスパイ小説家の女性で
その小説があまりにもリアルという事で
その小説の内容とリンクする現実の敵に追われることに

道中、敵にしつこく追い回され、殺されそうになるが
敵から彼女を守る男性スパイも現れる

色々ありながら、連れとなったその男性スパイに守られつつ
その男性スパイのアジト(?)に連れて行かれる

ここから結構なネタバレ注意↓ですが






そこには男性スパイの上司(?)らしきサミュエルLジャクソンが居て
スパイ小説作家の女性である主人公が
実は本物のエージェントだと告げられるんですが

ちょっと分からなかったのが
その後、男性スパイが冗談交じりに彼女に殴りかかり
なんと彼女は昔の本能的に染みついた格闘術をとっさに出し
彼の攻撃をかわしたんですが

その程度で思い出すなら、何故、逃避行中それが出なかったの?
別に彼女の記憶を蘇生させるきっかけも無かったし
前半は何だったの?ってなる
むしろ前半の敵の方が実戦だし怖かったはずで
その時の方が格闘術の記憶が甦りやすい思うが

まあそれくらいはいいとしても
道中に、主人公作家の両親に化けた敵が居たんですが
男性スパイがそれを見破ったのはいいが、
道中あれだけ殺しまくった男性スパイが
母親は銃で撃ったけど何故か父親は気絶させただけという不自然さ
しかも、後でその化けてた人が、実は両方、敵の黒幕だったという

そのあと、母親の方も防弾チョッキ着てて
死んでませんでした・・・みたいなくだりがあるのですが
たまたま助かってるだけで、本来なら、男性スパイもエージェントなので、
頭撃ち抜かれて両方殺される可能性もあったので
そしたらもう物語終わってんじゃんっていう
致命的な展開ミス

どんでん返し狙いの伏線貼りたいだけが目的のシーンだし
こういうジャンルで「たまたま」は無しでしょ

細かい事言うと
その時の父親役の黒幕が、主人公が持ってる、
目的である、物語の重要アイテムの極秘ファイルを撮影してたのに
それを母親になりきって、𠮟って止めるニセ母親
𠮟られてビクッとし、これまた父親になりきって
ファイルを見るのを、すごすごやめるニセ父親
・・・何の芝居なのあれ?
ニセ父親の仕事を、何故、ニセ母親が邪魔するのか分からないシーン

そして、見た人はわかると思いますが
色々どんでん返しがあって、敵のアジトに居る主人公

主人公を味方にしたと思いこんでる黒幕2人を
不意打ちで主人公が殴るシーンがあるのですが
この時も何故か殴って気絶させるだけでトドメを刺さない

何で????

今回こそ黒幕と分かってるんだから、倒せば?
それで話は終わりじゃん

前のやつは100歩譲って「たまたま」でも許すとしても
これは「アウト」です

そうでなくてもトドメを刺せば警報も鳴らされずに簡単に逃げることができるのに・・・

そのあとの綺麗なバトルシーンを見せたいためにそうしたんでしょうが
綺麗どころか虚しく映るというかそれ以前にシラケてしまう

それに、ただでさえ、こういう魅せる戦い方は余裕があるように見えるので
脱出の緊迫感も無くなる

スケートのバトルも最後、銃を乱射して勝てるなら
最初のナイフバトルは何だったの?ってなるし

最後のオルゴール催眠のくだりも
本来なら黒幕は死んでるはずと思うと何も響かないし
取って付けたような感じが否めないし
初めからそのオルゴール使えば?って感じ

そして最後まで見終わると、
最初に敵が主人公を殺そうとしてるのもおかしい
黒幕は親のフリまでして主人公をエージェントとして
迎い入れようとようとしたのですから

そもそも家族設定なら、手の内に居るのだから何とでもなったでしょう
何なら別のもっと効率のいい記憶設定に書き換えたら?と思う

どんでん返しもいいけど
脚本からやり直してください

いくらコメディとは言え、
私的には、スパイものでこういうのはないと思います



PS
しかもこの映画、他の方のレビューを見て知ったのですが
キングスマンの人だったんですね(;'∀')
どんどんつまんなくなってくなあ
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