このレビューはネタバレを含みます
マジでめちゃくちゃつまらなかった。
早くも今年のワースト映画が決まってしまった。
マシュー・ヴォーンだからって、期待値上げすぎたかもしれないけど、それにしたって酷すぎた。
キングスマンシリーズにあったリアリティとフィクションの緩急が、シリアスとコメディのメリハリが本作では皆無で、だらだらと物語が進んでいくのが不快だった。
本作にはリアリティがあまりにも無さすぎた。それ故に展開における説得力に欠けるのだ。
製作費が2億ドル掛かっているということで、全体的に豪華な仕上がりになっていたが、ゴージャスなだけで、それ以外はなく、ハリウッドのお金の掛け方の下手さというか、悪い所がこれでもかと全面に出ていたと思う。
そして本作は、これと言って見せ場となるアクションシーンがなかったのも最悪だった。確かにスケートのバトルシーンや、煙幕でのバトルシーンは観ていて面白かったが、正直やり過ぎな気がしていたし、クドかった。空回りしていたと思う。それ以外は全てステレオタイプなアクションシーンの連続で、ため息しか出なかった。
極めつけはCGのお粗末さだ。2億ドルかけてこれかよって言う映像のクオリティには、ただただ落胆させられた。これこそがコストマネージメントのレベルの低さを表しているだろう。
そして、そのクオリティの低いCGは、クオリティの低いアクションに繋がる。何故トム・クルーズが、クリストファー・ノーランがCGを毛嫌いしているのか、ハリウッドが今1度考える良い機会となったことは間違いない。
日本の映画業界はもっと、製作陣に還元すべきだけど、ハリウッドはもっと上手くコスト管理をするべきだという課題を示してくれた点では、観るべき作品だと思う。
Netflixのレッド・ノーティスに近いサブスク映画だった。個人的に、わざわざ劇場まで足を運ぶ価値を見いだせなかった。まさにサブスクムービーというのが正しいのかもしれない。
ここからは完全なるネタバレになるんだけど、ヘンリー・カヴィルを安く見すぎじゃない?
あたかも主人公がヘンリー・カヴィルであるかのような詐欺予告と詐欺ポスターから始まり、あまりにも出番が少なすぎた。
これが、ブライス・ダラス・ハワードが実は二重スパイでっていう超展開への伏線というか、観客を完全に騙すためのものっていうのはわかるんだけど、これは完全に個人的な話になるのだが、騙されるほどの展開ではなく、ヘンリー・カヴィルが主人公のスパイ映画っていう期待値を超えなかった。
これが俺が本作を嫌悪する1番の要因だと考えた。
そしてブライス・ダラス・ハワード好きからしても、彼女の仕打ちにはガッカリだった。
もうそれだったら最初から彼女を主人公としたエンタメが見たかったんだよ。
ジェイソン・フックスって脚本家は二度と大作を書かないで欲しいものだ。個人的につまらなかったワンダーウーマンの反省を何一つ生かせてない。とにかく長すぎるんだよなぁ。
これが2時間切ってたらまた評価も少し高かったきがする。