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ミラベルと魔法だらけの家のますのネタバレレビュー・内容・結末

ミラベルと魔法だらけの家(2021年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

冒頭、ピクサーのお家芸である主人公に感情移入させる能力が炸裂していてよかった!「コロンビアの、魔法が使える家系に生まれた唯一凡人の女の子(冴えないメガネ)」というわりと特殊な主人公にも、最初の儀式が終わる頃にはがっつり思い入れを持てるようになっている。(余談だがピクサーは人間の表情で内面を表すのが異常に上手いので表情に恋するオタクはとても助かる。)

物語は、才能がないゆえに自分に価値を感じられない(誇りを持てない)主人公を出発点に、才能を持つ者もまた無価値になることを恐れていること、持っているからこそ失うことを恐れ本来大事にしたいものを壊してしまうこともあるということに触れ、最後は持たざる者だからこそできることを提示していく。全体的に持たざる者に気づきと励ましを与えるストーリーだった。
そのメッセージはとてもいいのだが…中盤以降からややメッセージ性が先行してしまったのはもったいなかった!社会のアップデートを拒む保守派に対して言いたいことがいっぱいあるんやろな…わかるで…と思いつつ、もうちょい隠し味にしてほしい気持ち。ラストも急に畳みにきた感じが漏れ出てしまったので、ラストまで序盤の丁寧さでいってほしかったな〜!!

しかし家自体に魔法がかかっていて、各々の部屋の中に不思議な世界が広がっているというファンタジックな設定がとても良かったし、イザベラとのナンバー(サボテンにょきにょき🌵)も良かった!ピクサーにはこれからもこういうワクワクな世界の提示を頑張って欲しいです…!ファンより!
ます

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