結局カレー

ミラベルと魔法だらけの家の結局カレーのレビュー・感想・評価

ミラベルと魔法だらけの家(2021年製作の映画)
3.4
久しぶりのディズニー!!金ローにて視聴。なんというか”今っぽい”印象。特別な存在であるプリンセスたちの物語が多い中、「じゃない方」の女の子のお話。

主人公のミラベルは“魔法のギフト”を授かる家系に生まれたものの唯一魔法を貰えなかった子ども。そんなん辛すぎ。ミラベルがアントニオを勇気づけるシーンだけで泣けてきたもんね。魔法がなくたって私たちは特別な存在なんだと自分に言い聞かせているようで、愛する家族たちとの違いに悲しむミラベル。この持つ者と持たざる者の差みたいなのってよくあるし、家族だからこそ持たざる者の風当たりが強くなったりするのよね。それは才能だったり学力だったり美貌だったり。勝手に色々重ねちゃったわ。ミラベルのキャラクターで救われるけど普通に状況はグロい。笑

持つ者だって努力なしに存在してるわけじゃなかったり自分の本質的な価値に思い悩むのもわかる。イザベラが言った「全てが完璧だった、おばあちゃんも幸せ、家族も幸せ。」の全てに自分がいない寂しさ。アイドル像とか近いよな。

結局、崩壊したかのようにみえたカシータは再建されみんな元通りハッピーになったようだけど、マドリガル家に確かにあった持つ者が失うことへの恐怖と持たざる者の何者にもなれない寂しさが特に何も解決されてなくて、結局ミラベルがそっち側に認められたにすぎないよね。高学歴一家で唯一の高卒が成功して有名人になって実家の居心地が良くなったぐらいあんまりしっくりこないエンド。

歌やアニメーションはやっぱり一級品でハッピーに溢れた幸せ感は満載だったんだけど、私は私で特別なんだと外の世界を見て欲しかったと思ってしまう自分もいる。