何だこれめちゃくちゃ面白い。異常に評価が低いですが（評価が低い理由も分かるが）個人的にはめちゃくちゃ好きな1本でした。
自分も低予算ホラーに挑戦したい！と制作したらしい本作『デモニック』ですが、確かに低予算故の至らない所はかなり多く（そもそも監督の頭の中にあるビジョンと「低予算ホラー」というフォーマットが合ってないだろ）しかしながら"SF×オカルトホラー"の悪魔合体的本作はニール監督にしか作れない絶妙に「なんかよく分からんが観たことないな！」という仕上がりになっていたんではないでしょうか。
設定めっちゃおもろいんですよ。大量虐殺という大事件を起こした母親が昏睡状態になっているらしく、母親がいる謎の医療機関に行ってみたら、母親の精神世界をVRで再現したからそこにダイブしてくれとか。実は母親は悪魔に取り憑かれていて大量殺人を起こしてしまっていたとか。その謎医療機関が実は悪魔祓いをしているエクソシストの機関でVR空間に悪魔を呼び寄せて撃退しているとか。何じゃそらみたいな設定なんですが、それを結構ちゃんと映像化しているのが面白い。主人公がダイブすることになる件のVR空間、初期のプレステ？みたいな感じのチープさでかなり良かった。
ただ低予算故に観たいシーンが無いみたいな欠点もある。エクソシスト達と悪魔のバトルシーンとか丸ごと無いし、主人公と悪魔の対決シーンも割とこじんまりとしてる。あと設定の面白さだけで突っ走るような短編作品的な設定なので1時間44分にしてしまっていてかなり冗長。80分台で良かった。
みたいな色々な不満はありつつ監督がやりたい事やってる作品ではあるので、まぁ良いよ...やっぱそういうの大事だよな...という感じで色々許せる作品でもあります。変な設定のB級オカルトホラーとして観るのであれば割と掘り出しもの感があるのでおススメです！第9地区のことは1回忘れよう！
