おりん

彼女が夢から覚めるまでのおりんのレビュー・感想・評価

彼女が夢から覚めるまで(2021年製作の映画)
4.2
短編でここまで恋心を真っ直ぐに、儚く、叙情的に描いているのが凄い。主人公が抱く恋心と出会いからのストーリー展開・菅原小春×森山未來の緩急あるコンテンポラリーダンス・繊細かつ情熱的に表現する佐藤緋美の歌声+音楽で魅せているのが素晴らしい。

主人公・ココは聾者の女性。今作では主人公の恋心を軸に描かれてましたが、序盤で出てくる対話も凄く良かったです。聾者であることを強調せず、日常的な対話を繰り広げていく。4人の中に国籍が違うキャラクターもいましたが、互いに気を遣うことなくコミュニケーションしているのが好印象でしたし、興味津々に話している様子も見ていて楽しかったです。

その後に展開されるココの揺らぐ恋心の表現も見応えあります。身体や表情のきめ細かな動きやゆっくりと流れる情景から、ココの恋心がじわじわと見えてくるので、ちょっとドキドキしながら観ていました。

さらに、吃音症の画家との出会い~ココの夢の展開からがぐっと惹き込まれます。2人の現実での恋の進展とココの夢の中での恋の進展の対比が強く印象に残りましたね。菅原小春と森山未來のコンテンポラリーダンスも上手く活かされてるなと思いました。

20分と短編なのに、色濃く余韻も半端ない作品でした!
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