気付かないうちにおじさんになってしまうことを怖がる、30代前半ぐらいの主人公の夢の話。
15分と短い作品の中で吉田監督らしい虚実の融合が描かれてる。ラストの「続けて、歌」というセリフから、主人公に向けた「夢見ることこそ人間味」的なメッセージを感じるし、主題歌も担当する主演の錦戸亮に向けたメッセージにも聞こえる。（本人も吉田監督からのメッセージと受け取ったらしい）
https://realsound.jp/2021/07/post-808790.html
夢だから深く考えず楽しんでほしいと吉田監督は言ってるけど、夢に入ってしょっぱなの山の斜面の待機列とか何だったのか気になる…笑 行儀良い（無気力？）サラリーマンの列と楽しげな学生とか子ども連れの列。後者に並びかけて結局サラリーマン列に呼び戻されてしまった主人公の様子が、夢を諦めることのメタファーになってたのかな。周りが当たり前のように覚えているIDを自分だけ思い出せない、みたいな描写は自分も夢で見たことある気がしてぞっとした。
「羊の木」のときと同じく、特殊な環境に送り込まれて戸惑う芝居多めの錦戸亮も良かった。
