えみ

咲むのえみのレビュー・感想・評価

咲む(2021年製作の映画)
4.7
聾者の監督の方が作った、聾者の役者さん中心に演じられた作品。素晴らしかった。当事者でなければ描けない世界がそこにはあった。旧優生保護法や障害者権利運動という言葉や直接的な描写は無いにせよ、障害のある方々が日常的に晒される差別や社会の障害、家族の苦しみ、そして当事者たちが、周りの人たちが共に生きることは幸せで、社会全体の力になることだと気づけた時に見えてくる未来、、、そういったものが単なる綺麗事ではなく、心にスーッと染みいってくる。優生保護法の影響で社会全体が差別を正当化していた時代のことを思うと心が痛く、そして、たまたまマジョリティだった健常者たち中心に作られた社会がいかに不平等で理不尽かを思い知らされる。でも観た後には温かい気持ちになれる、そんな映画。ろうあ協会主催の世田谷区民ホールでの上映会で視聴したが、福島さん?だっけ役のお兄さんが舞台挨拶もサプライズでやってくれた。赤ちゃんのおじいちゃんもスタッフさんでいた。あったかい空間だった。
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