社会のダストダス

ぬけろ、メビウス!!の社会のダストダスのレビュー・感想・評価

ぬけろ、メビウス!!(2022年製作の映画)
3.6
まるでシャガールの絵の中に迷い込んだみたいだ…(笑)

↑今度から教養をアピールしたいときに使ってみようと思います。

本当は『コンパートメント No.6』を観るつもりでいて、平日だし余裕だろうと思っていたら、まさかの終日満席状態で諦めるしかない状態。電車で来たのに手ぶらで帰るのは癪だったため、同じ劇場でやってる違う作品を観ることにした。『キラーカブトガニ』なる映画の“全裸美女踊り食い”というキャッチコピーに猛烈に後ろ髪を引かれるものがあったが、こちらも時間の都合が合わず今回は無難そうな本作を選んだ。しかし、全裸美女踊り食いか、やっぱり気になるな…

24歳の櫻川優子(坂ノ上茜)は建築会社で契約社員として働くも、5年ルールが原因で正社員になる前に雇止めを宣告されてしまう。婚約者との結婚の選択肢もあるなか、優子は流されて生きてきた自分の人生に抗うべく大学進学を目指し始める。

最近観た作品でいえば『Bad City』で不屈の新人刑事を演じていた坂ノ上茜さんが主演。大学進学に向け勉強を始めるが、結構簡単に諦めたり飽きたりしているので、『ビリギャル』みたいな話という訳でもない。

途中出てくるブルジョア一家の描かれ方がトレンディードラマみたいだと思っていたら、作中何度かトレンディードラマの例えが出てきたから確信犯だった。イケメンのボンボンの青年が「シャガールの絵の中に迷い込んだみたいだ」などいろいろと香ばしい名言を残してくれる。タイトルの由来であるメビウスの輪も、この人が教えてくれるので実はMVPなのではと思っている。

その場で急遽選んだ作品だけどなかなか面白かったし、優子の性格は自分にも重なる部分があるように思えた。次は日を改めて絶対に『キラーカブトガ… じゃなかった、『コンパートメント No.6』を観るのだ。