甘酸っぱさの正反対にある凄絶な青春物語とでも言うか、もはや監督が厨ニ病に思えてしまう。
70年代の水谷豊の「青春の殺人者」の現代版的なもしかしたらそれのインスパイアかとも取れるほどの狂いっぷり。
主人公は絶望はしていない。
絶望しているから自暴自棄や自堕落になっているのではなく、無気力、脱力にしか見えてこない。
それでも失語症の彼女との波長の瞬間はハッと思えるような演出だった。
ちょっとどーなのよって思えた箇所数点。
仰向けでボールペン走らせてるのにインクがいつまでも枯れない不思議。
ホモハゲ親父がバックで責めてる時のナニとナニの位置関係が微妙に合ってないような気がする。
刑務所で兄貴と対峙してる時の兄貴の独白の違和感、と言うか仰々しさ。
その他もろもろ。
そして劇中歌とエンディング曲。
ホントに必要なのか。
時折り入るナレーション的な主人公の独白が今までの人生と合わせながら青春の葛藤を話しているが、一方で監督が酔いしれているような様が浮かんできて鼻白んでしまう。
ずっと冷めて観てた訳じゃないんだけど、かなり自分には合わないタッチだったかも。