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私ときどきレッサーパンダのmasayaのレビュー・感想・評価

私ときどきレッサーパンダ(2022年製作の映画)
4.2
13歳の女の子がある日突然レッサーパンダに!?素っ頓狂なアイデアに見えて、誰もが身に覚えある思春期の戸惑いや葛藤、自分が自分じゃなくなるような不安を赤い"モンスター"で見事に表現。モフモフかわいいキャラデザ、HIPHOPノリの劇伴も痛快な超良作!

成績優秀でお手伝いもバッチリ、最高な仲間達も居て毎日がハッピーなメイメイ。だけど「何が好き!」とか「何がしたい!」の中に、段々ママには言えないことが増えてきてることにも気づいてる。ベッドの下の本心、心の奥に棲む野獣を隠したまま優等生でやり過ごす?それともママに、みんなにぶちまける?

親から庇護されてるがゆえの全能感と、それが逆に過干渉の檻のように感じたりするこの年頃の揺れ動く心。形の無いそれに、赤くてフワフワしてて、だけどキバも爪もある生き物を当てはめる。それを封じ込めることが成長って信じてる大人たちに対して、ミレニアル世代のメイメイはどんな答えを出したか。


2年前に劇場公開目前になって配信限定になって見逃してた作品なので厳密には新作と言えないのだけど、これこそ劇場で観るべき映画で(それもゴジラやDUNEと同じ理由で)、あんなに宣伝させられて上映させて貰えなかったにも関わらずリバイバルに応じたシネコンの寛容さに感謝するべき作品だった。

同時上映 「猫とピットブル」のことも忘れないでいよう。ピットブルのお目目がめっちゃ優しくてそれだけで胸がいっぱいになった・・
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