ドスティ

私ときどきレッサーパンダのドスティのレビュー・感想・評価

私ときどきレッサーパンダ(2022年製作の映画)
4.9
大傑作…!
作品の全てが好きすぎて胸が苦しい。
どうしようもなく恥ずかしい思春期の激情と欲望と困惑、親からの呪縛。

アジア系カナダ人の少女が主人公なのは画期的だけど、それに関わらず誰でも思い当たるあの時の自分。
そのままを受け入れる難しさと尊さ。

モフモフのレッサーパンダは超可愛いし、本当のあなたで居られる場所は家族だけじゃないと心底思える親友たちが最高!

個人的に全然ダメだった「リメンバー・ミー」や大好きな「ミラベル~」すら描けなかった地点に到達していて涙が出た。

日本のアニメっぽい懐かしさがありつつ最新の映像表現も驚異的。

間違いなく毒親でも声が愛しのサンドラ・オーなので憎めず。
勿論ファミリー向けだから関係に対して救いはあるものの、心を抑えてまで子が親に従う必要は無い(守護者である母を失望させたくない、期待に応えて喜ばせたいという気持ちは痛い程わかる)事をコメディに落とし込んだのが凄い!

性差別的なボーイズクラブだったと言われるピクサーで、ドミー・シー監督(短編「Bao」は何とも言えない怖さも感じて印象深い)はじめ女性クリエイター主導で作られたからこそ、すごく日常的で身近なのに避けられがちな生理の話題もフランクに取り入れられ素晴らしい。
ディズニーの検閲だけは許せん。

そしてツボ過ぎた4★Town。
バックストリート・ボーイズやイン・シンクに英国のブルー(イチオシ)、BTSまでを彷彿とさせる曲があまりにも良い!
手掛けたビリー・アイリッシュとフィニアス(ジェシーの声も担当)天晴れ。
音楽はルドウィグ・ゴランソンで、相変わらずお見事。
ドスティ

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