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ブルー・バイユーのkyokoのレビュー・感想・評価

ブルー・バイユー(2021年製作の映画)
3.7
80年代の養子縁組システムの不備によって、何十年とアメリカで生活しながらその国の民と認められずに国外退去という悲劇に見舞われる人々がいる。
この作品が理不尽極まりない事実を改めて世に知らしめる役割を果たしていることは間違いない。

追い詰められたアントニオの考えの無さや語らなさが良くなかったにしろ、実母に対しても元夫に対しても、キャシーの対応がまずいように思う。
娘の恐れと悲しみを共有したアントニオ、娘への愛情が伝わらなくてパニクる元夫(ちょっとパニくりすぎ)、死にゆく娘を見守るベトナム難民のお父さん(その佇まいだけで泣ける)…想像するしかない母たちの思いよりも、そこにある父の愛がたしかだった。
胸くそな展開からの、成さぬ仲のふたりのラストにはもう涙しかない。

アリシアちゃんの歌はステキなんだけど、明らかに彼女に歌わせたいがために作ったシーンという感じがして鼻白む。
アリシアちゃんとは私本当にご縁がないのよね…

そして新たな天才子役現る。
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