ゆのは

ブルー・バイユーのゆのはのレビュー・感想・評価

ブルー・バイユー(2021年製作の映画)
4.0
アメリカの移民政策
に翻弄される人々を描き、
それを問題提起した
社会派ヒューマンドラマ。

社会派として
問題について
考えさせられるだけでなく、
ヒューマンドラマとしての
抑揚のあるストーリーと
終始暗いながらに
ドラマチックな展開が
しっかり観客に感動を与える。

作風はハリウッド映画
よりも日本映画に近いと思う。
問題を正面から描き、
ジョークは挟まず
非常に真面目なタッチで
描かれていた。

私が観るよりも前に
作品を観ていた
親が言っていた。
「主人公の表情と
子役の演技が良かった」と。
その意味がよく分かる。

全てを言葉にしない方が
心に響くものがある。
ハーレイ・ジョエル
・オスメントの
ミステリアスな表情とは異なる。
どちらかといえば、
トビー・マグワイアに近いかな。
主人公アントニオの表情から
様々な思いを想像することができる。

一方、ジェシーは
可愛いに越したことはないが、
その愛嬌といい何といい、
彼女の演技が琴線に触れた。
「I am Sam」の
ダコタ・ファニングを思い出した。
彼女も名演だったな。

最後に
アリシア・ヴィキャンデル。
彼女の印象は
「リリーのすべて」以降、
整った顔立ちだけではなく
演技派女優へと変わった。
劇中、目立つほどではないが
彼女の演技もまた良かった。

派手すぎずシンプルだからこそ、
問題の現状を
知るうえでも分かりやすい。
申し分なく良い映画だった。
ゆのは

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