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ブルー・バイユーのgeminidoorsのレビュー・感想・評価

ブルー・バイユー(2021年製作の映画)
4.5
主人公が監督&脚本も…凄い器用でパワフルだと思う。ずっと魅入らせて頂いた。
なんせ義娘役が上手くて目が離せない。どことなく鼻や唇がMr.ビーン似で可愛いーと言ったら本人や家族は怒るかしらん。

最終局での叫びは手前から予想はしていたもののズシンときて一気に感涙してしまつた。
駅等この様な場所での別れは何回も経験してきたが、苦手中の苦手だな〜
あと警官の元夫や、主人公の過去たらいまわしの果ての養子縁組先の義母や、他キャスト皆ある意味で生々しく存在が立っていた。
その様に感じたのは撮影と編集のセンスもあろう。

本作鑑みれば実はつい近年までのアメリカ、養子縁組に於ける子供側の永住権や人権に対する杜撰さ故の、その後の彼らの"生きにくさ"をベースに組み立てた脚本ではあろう。
その中に、人種つまりはアジア人に対する偏見や排他的な匂いも随所に潜ませてあったと思う。
一人で何足ものワラジを履いて本作を完成させたジャスティン・チョンは、ここまで来るにも相当な風当たりを肌身に感じ、それらをかい潜り登ってきたチカラがあるのだと察する。


久しぶりに観た映画がスマッシュヒットで、"ほっ…"と胸撫で下ろした。
あと"バイユー"のスラングを知り、題も上手いナと思った。
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