kou

ブルー・バイユーのkouのレビュー・感想・評価

ブルー・バイユー(2021年製作の映画)
3.9
最初から起承転結の転あたりまでは主人公のアントニオに共感出来る部分は多くはなかった。
主人公は若かりし頃バイクを盗んだ前科がありまともな就職も出来ない。
現在はタトゥーアーティストなのに場所代すら払えず滞納するくらい暇。それなのに結婚して新しく子どもまで生まれる予定。Tシャツの襟元はボロボロで破れかけ。
それにしてもスーパーで奥さんの元旦那(警察官)と相棒の警官と出会ったからって喧嘩になって簡単に牢屋にぶち込まれるとか完全に私怨。
それが元凶で市民権を有していなかったことが判明し、移民局行き。

なんとかアメリカに残れるように弁護士に相談するも、彼がアメリカに家族も知り合いも殆どおらず、裁判官に情に訴えられる方法もごくわずか。
その弁護士費用も手付金が5000ドル、ああ無情。

とりあえず元夫の心変わりが急すぎて「おまえ何やねん」と突っ込みたくなったし、元夫の相棒の悪く描かれ方がもう酷いのなんの。

見どころのすべてがキュートでかわいいジェシーちゃん。
あなたが救いで貴方に泣ける。
お姉ちゃんになっても楽しくないよね、万国共通なんだな。

しかし強制送還されたら本当に家も人づてもない。
この映画の終わった後の現実を考えただけで更に辛い。
多分養子縁組が盛んなアメリカではもっと切実な問題を捉えた作品なんだろう、それがラストに出てくる数人。
氷山の一角、きっと今日も怯えてる人は多いんだろう。

ルイジアナの貧困層の彼と、ボートピープルとしてやってきたベトナム人の女性の裕福さが対極的だった
kou

kou