よし

沈黙のパレードのよしのネタバレレビュー・内容・結末

沈黙のパレード(2022年製作の映画)
2.8

このレビューはネタバレを含みます

観てきたんですけど、全然満足感が無いのでこれから自分の中で鉄板の『エレファントマン』でも観ようと思います。

そもそもで刑事の草薙が動揺しすぎ。長年刑事をやっていてこんなにナイーブだと続けられないのでは?せめて他者の前では冷静に見せるべきでは、と思ってしまいました。

ストーリーは良く考えられているとは思いますが、盛り込み過ぎで結局何が言いたいのか分からない映画になってしまったように感じます。

結論が同じでも、その過程が違うならばすべての真実を白日の下に晒さなければいけないという話ですか?
司法が罪を犯した人を裁くことが使命であるとするなら、今回の事件では真相が明らかになったとしてもならなかったとしても裁かれる人、また刑の重さは変わらなくないですか。
音楽プロデューサー新倉の妻、留美は並木佐織を殺していないにしても妊婦である彼女を思いきり突き飛ばしたことは事実で、それが明らかになってしまったら並木家やこの街のコミュニティから忌避され生きづらくなると思います。この事実を知らされる側だって蓮沼一人を恨めば済んだことを新倉たちのことだって恨まなくてはいけなくなる。
映画の中でここが一番良く分からないんですが、留美が罪を認めないなら何も無いですし、罪を認めたとしても傷害罪で実刑にはならないくらいなんだから彼女が真実を言う必要性って何なんでしょうか。殺人罪に問われなくて済むっていうのは、あくまでも留美が佐織を殺した(と蓮沼が偽装した)証拠が出て初めて議論に上がることで、現時点では蓮沼が佐織を殺した疑いが強いということしか分かってないですし。
それでも真実を言え、というのは司法側の、草薙のエゴにしか感じません。どうして罪を犯したら真実を言う必要があるのか、この最も重大な命題にこの映画は答えられていない。心に嘘を抱えて生きることは辛い。留美がずっと蝶のバレッタを捨てずにいたのも罪の意識の現れなんだと思う。
でも、真実を言ってしまえば傷付く人が大勢居るなら、いったい何のために自分の罪を告白しなければいけないのか?
よし

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