オノタカノフ

沈黙のパレードのオノタカノフのレビュー・感想・評価

沈黙のパレード(2022年製作の映画)
3.0
土曜プレミアムにて。

絞殺や扼殺にしてはその痕跡がない。さて、殺害方法は? と謎解きがスタートするのだが、こちらがその謎を謎として把握する前に、つまり、「あれ、確かに変だね。一体どうやったのだろう」などと考察(なに、どうせ答えなんて出せやしないんだが)を始める前に、湯川先生がどんどん解いていっちゃうので、置いてけぼりを食らった感じ。風船だのヘリウムだの、目眩しはあれど、大筋は最初に正解出しちゃっているので、謎解きの面白さはない。

あんな古そうな取っ手のネジがすでに一回外されていたのなら、なんらかの痕跡があるんじゃないか、というのは難癖に過ぎなかろうが、あの同居人が途中から不自然なまでに存在感がなくなって、なんか変だぞと思ったら、やっぱり結構な重要人物で。あの食堂に集う人たちなら誰が犯人でも意外さはないので、あえて意外な人物を作り出そうと、あの同居人について触れないようにしていたのかと勘ぐりたくなる。

そもそも同居しているなら、いつでも一人でやる機会はあったのでは? それと、真犯人(仮)は、真犯人(真)が証拠を持っていないことはわかっていただろうから、脅されてもシラを切るなり、警察に駆け込むなりすればよかったのでは? まあ、あんなのに絡まれたらビビって言いなりになっちゃうのは、分からんではないけども。

真犯人(真)がシャバでのうのうと暮らせたのは、司法の限界か警察の無能が原因なのに、真犯人(真)がサイコキラー的な雰囲気漂わせさせられてるのがなんか腹立つ(笑)。

堤さんの「なんでぇー?」みたいなの期待しちゃったので、なんだか残念というのが正直な感想です。
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