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沈黙のパレードのnattokoのレビュー・感想・評価

沈黙のパレード(2022年製作の映画)
3.8
色んな事件ものを扱う話はよくあるけど、被疑者の「沈黙」に焦点を見出したところが新しい視点だなあ〜とまず最初の印象。
でも、「黙秘権」って権利としてよく聞くけど、ここでは「黙秘」ではなく「沈黙」なんだ。と

黙秘と沈黙の意味の違いが気になって、自分なりに調べてみた。
どちらも口を開かず何も言わない行為なんだけど、黙秘には、そうする理由がある。沈黙は、とにかく黙り込むこと。

私なりのこの映画の解釈だけど、
罪に問われた人は何かしらの理由があって(一般的には、話をすることで自分が罪を認めることになったり不利な状況になったりするのを防ぐため)口を開かない。いわゆる、黙秘。
けど、それだけじゃ足りないくらいの黙りこむ覚悟が、「黙秘」という言葉では表し切れず、背負い込み切れず。そのため、「沈黙」という言葉を用いて、その黙り込む行為に重みをつけたのかなと。
でも、「沈黙」という言葉を使うのは、実際のところ誰?
それは、沈黙という行為をする当事者(=被疑者)ではなく、部外者(=警察や遺族など)なのだろう。
理由なくただひたすら信念を貫いて黙り込むことが「沈黙」という言葉ピッタリで、作中のキーパーソンにおいても筋が通る。
そして、警察は「彼は沈黙を貫いている」と実際に用いながらも、その状況を作っているのは警察側自身なのだと、湯川に言われて初めて気付かされるところがまた面白い。


タイトルの一語だけでこんなに深掘りできるのは、楽しすぎる
いや、ただの私の悪趣味か、、
ガリレオシリーズは大好きでよく見るけど、ストーリー複雑でちょっと難しかったです。
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