このレビューはネタバレを含みます
世界観やキャラデザ、音楽を含む雰囲気はかなり好きだった。
夏の終わり、花火を介して会える幽霊とのひと時の切なさ、二人だけの時間の儚さや将来に対する不安など、アニメーションならではの演出で見事に表現されていた。
90分くらいの劇場アニメとしてもう少し完成度を高めて、かつ主人公3人それぞれの背景を深掘りしたらもっと良かったと思う。この尺はこの尺で観やすくてちょうどいいんだけど。
特に主人公のともやの死にたいと考える理由が少し弱く、あおいや涼と比べて少しテーマでもある"死"との関係が希薄だった気がした。
高校生の夏という普遍的なテーマと、幽霊や死といった特異なテーマの掛け合わせは良くあるけど、それをこの疾走感で描き切っているのは凄いし、人によってはこの作品を見て一歩踏み出す勇気ももらえるのかもしれない。
"あやね"の少し達観したような雰囲気がとにかくツボで、こういう特定の条件下でしか出会えない少女みたいなキャラクターなんか好き。
40分尺の作品だと思えばこれ以上はないほどの出来だと思う分、もう少し長ければという勿体無さも少し感じてしまう。