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アートマンのTnTのレビュー・感想・評価

アートマン(1975年製作の映画)
4.1
 視覚暴力映像としてトニー・コンラッドの「The Flicker」に近い点滅現象があるが、こちらには対象がある。被写体があることで我々の目はそこに集中するにも関わらず、その暴力表現を掻い潜らなければ鑑賞できないのである。近影から徐々に離れた位置へとカメラ位置を変え撮影されたカットが連なり、被写体の周りを周回する。

 般若の面をした女性という不思議な被写体を、しっかり認識することは難しいのだが、不意の静止で覗かせる首元とかが妙な色気をも持つ。逆に最後に般若の正面カットで幕切れする威圧感もある。
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