Koshii

人質 韓国トップスター誘拐事件のKoshiiのレビュー・感想・評価

3.5
韓国映画が観たいっ!

ファン・ジョンミン役のファン・ジョンミンが観れる映画ということで。

演技力の鬼。眼力の圧倒的存在感。
支配される側に回っても、怯むことのない表情、表現。

背中しか見えないジャケットからでも、それは十二分に滲み出している。

トップスターの誘拐事件。
ファン・ジョンミンの演技力をフルに活かし、その顛末は語られる。

ファン・ジョンミンが放つ、
ノンストップ・クライムサスペンス!!

以下、ネタバレを含みます。









この映画、やりたいことは凄く分かるのだけど、なんともお粗末な印象。

本人役で演じるファン・ジョンミンの起用の魂胆が透けすぎているし、効果的な配役とは決して思えない。

本人を登場させる以上、現実路線のストーリーになるしかないのだが、ストーリーを固める設定やキャラクターが安物の作り物という風にしか見えない。

そうなると、せっかくの彼の熱演は浮いてしまう。

また、ファン・ジョンミンを使う目的というのが、「演技力だけで、窮地からの逆転するシーンを撮る」としか思えず、当該のシーンであってもカタルシスは非常に薄い。


このようなサスペンス映画にとって、犯人役は極めて重要な立ち位置で、主人公たちをどれだけ絶望的に見せるか、悪の本質を見せつけられるかは、ストーリーの展開上気にしなければいけないはずだ。

しかし、警察の無能さ、犯人のエセサイコパス感、動機の薄さ、など、およそ引き立てることには無縁の外周に目が行ってしまう。

ファン・ジョンミンの演技力を活かすなら、その辺りをもっと丁寧に脚本するべきだと思う。

彼を起用したら、予算がなくなったのか?
と思わざるを得ないような、チープさが、本来とは逆に彼を浮き彫りにさせていたことが、とても悲しい。
Koshii

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