フランスのJCVD(ヴァン・ダム)、アメリカのマッシブ・タレント(ニコケイ)、そして韓国の人質(ファン・ジョンミン)と三大ほぼ本人役の映画が揃った。2人と違うのは、ゴリゴリの現役トップスターであることくらいかな。ちなみに実際の誘拐事件を基にした中国映画のリメイクとのこと。
ファン・ジョンミンが誘拐されて身代金のための人質になったら？というコンセプトだが、ファン・ジョンミンというよりも俳優ならではのスキルで犯人と対峙する内容で彼のことを知らなくても楽しめるようになってるのが良いし、知っている人ならばニヤリとする小ネタがありつつ、彼がどれだけの才能を持つ俳優なのかが説明なしにメタ的にわかるようになっていてスッキリしていて見やすい。
それ以前に、純粋にスリラー映画としてクオリティが高くて楽しいのも良いところ。わりと型にはまった人質・誘拐映画だと思うが、ファン・ジョンミンをはじめとする各キャストのビジュアルの説得力と演技力の高さ、できるだけワンシチュにならずに適度に監禁場所から離れながら物語を進行させていくのも良かった。それともう余裕すら感じられるハリウッドレベルのスリラー演出力の高さ。だからといって韓国映画らしさが抜けていないらしさのあるストーリーテリングと雰囲気。羨ましい。
ファン・ジョンミンは本人役に恥じない名演技を見せていて、それがこの映画をめちゃくちゃ面白くしている。コンセプトからして彼の演技力依存なところもあるけど、そこは難なく飛び越えちゃうのが流石トップスターだなあ。やっぱり好きだなこの人。途中のマジっぽい下積みの苦労話が泣ける。ジョンミンを兄貴兄貴と慕うあの人の存在も面白い。
