Balthazar

13デイズのBalthazarのネタバレレビュー・内容・結末

13デイズ(2000年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

歴史的事実に基づいていると言っても、もちろん、これは映画であって、すべてが真実とは限らないのだけど。

1962 年 10 月 16 日、U-2偵察機がキューバに建設中の新しい基地を発見、なんとそこにソ連の弾道ミサイルが設置されているのを確認した。この衝撃的事実はジョン・F・ケネディ大統領(ブルース・グリーンウッド)の寝室に直ちに知らされた。アメリカから140 kmしか離れていない対岸の隣国に、ソ連が核兵器を運び込んでいる!喉元に突きつけられた刃である。

決断をひとつでも間違えればWW Ⅲが勃発してしまうだろう。如何にしてミサイルを取り除くか。それも可及的速やかに。

人類が「核戦争」の危機に最も近づいた緊迫の 13 日間が始まる。
主戦派の国防長官のマクナマラ(ディラン・ベイカー)や、JFKと仲の悪いダレスCIA長官たちは、予防的先制攻撃でミサイルを破壊すべきだと主張。
迷ったJFKは弟のロバート・ケネディ司法長官(スティーブン・カルプ)と親友のケネス・オドネル特別補佐官(ケビン・コスナー)に助言を乞う。

国家安全保障会議執行委員会( ExCOM )にて海上封鎖のプランが検討される。 JFKは空爆か海上封鎖かの二者択一の決断を迫られる。いずれにせよ、過剰にソ連を刺激しかねない。

大統領命令なしに交戦を禁ずると厳命してあるのに、軍は度々命令を無視した行動に出ようとする。

JFKは、最新の状況を把握すべく、キューバのミサイル基地を低空飛行で写真偵察するように指示、しかし何があっても決して撃ち返してはならないと釘をさす。パイロットは対空砲火を浴びながらも命令を厳守し、一発も撃たずに無事に戻ってきた。機体に残った銃痕はとりあえずバードストライクだと言っておく。キューバから撃たれたと言えば主戦派の連中は嬉々として勢いづくだろうし、そこで一発でも撃ち返せばその時点で取り返しがつかなくなる。

その間もソ連の弾道ミサイル配備は着々と進められ、アメリカはキューバ侵攻の準備を始めざるを得なくなった。
同時にキューバ大使との最終交渉のため、JFKは最大の信頼を寄せるオドネル特別補佐官を指名して重い交渉の場へ向かわせる。

そんな中でのU2撃墜事件。事態はより深刻さを増した。

水面下での秘密交渉の末、遂にソ連はフルシチョフの判断により弾道ミサイルを片付けて持ち帰ることに合意。土壇場で梯子を外されたフィデル・カストロは烈火の如く激怒したという。

兎も角「キューバ危機」は解決され、同時に起きたかもしれない「WW Ⅲ」も回避された。こうして激動の13 日間は終わった。
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