ししまる

13デイズのししまるのレビュー・感想・評価

13デイズ(2000年製作の映画)
3.7
1962年のキューバ危機を描く。
再鑑賞。145分と長尺で、ケネディ大統領役がはまっているブルース・グリーンウッドらホワイトハウス高官、軍上層部、ソ連側と登場人物がめっちゃ多く、大半が会話劇。しかも誰もが知る結末。だけど実在の人物をベテラン俳優らが迫真の演技で見せてくれるので緊張感は十分だし、長さを感じさせないから凄い。
ケビン・コスナー演じるケニー大統領特別補佐官の役割とか、史実と違う部分もあるけど、概ね史実に近く、現代史の一端を知ることもできる。まあ個人的には好きだけど、興行的には失敗したように、見る人を選びそう。
✅メモ
アメリカの国際関係史家アーネスト・R・メイによる「The Kennedy Tapes: Inside the White House While the Cuban Missile Crisis」(1997)をベースとしている。製作費8000万ドルに対し世界興行収入6660万ドル。
英語版wikiによると、国防総省は複数の基地での撮影を許可するなどある程度協力した。ケネディはホワイトハウスでの会議中に頻繁に録音機を使っており、本作のの会話の多くはテープの内容に基づいている。
当時国防長官だったロバート・マクナマラ(2009年死去)は鑑賞前のインタビューで「ケニー・オドネル補佐官はミサイル危機において何の役割も果たしていない」と批判し、ケニーのような役割を実際に果たしたのは大統領特別顧問でスピーチライターのセオドア・C・ソレンセンだと語ったが、鑑賞後には本作を評価している。
統合参謀本部は早急な軍事行動が必要との意見を繰り返し、ケネディは「お偉いさん達の意見をその通りにして間違っていたら、間違っていたと言おうにも誰も生きていないことになる」とケニー補佐官に語っている。
「イエスかノーか」と国連でソ連に迫ったアドレー・スティーブンソン国連大使は大統領選挙で2度敗北している。カーチス・ルメイ空軍参謀総長は東京大空襲を指揮した。
キューバ危機の後、米ソ間でホットラインが開設、不測の事態による軍事衝突を防ぐ対策が取られた。
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