囚人13号

ジェーンとシャルロットの囚人13号のレビュー・感想・評価

ジェーンとシャルロット(2021年製作の映画)
3.0
正直ジェーン・バーキンには特別思い入れもないのだが、本作はドキュメンタリーでも彼女の人間性というより私的な過去を中途半端に掘り下げているような気がした。

カメラを向けることが母と対峙する口実になるのはヤン・ヨンヒと似ているが、シャルロット・ゲンスブールの質問がドラマチックな回答を狙いすぎてるような気がしてならず、元夫や死んだ娘についての重い会話中に背後にでかでかと投影されるプライベート映像が悲劇的にしか作用していない。
こうした昔の映像(幼少期のシャルロット)と現在(シャルロットの娘)をフィルムカメラで収めた映像のモンタージュも『アフター・サン』のようだったが、核心に切り込むことを周到に避けつつ…ジェーン・バーキンも娘の映画作家としての経験、或いは才能誇示の共謀者にすぎないと思ってしまった。
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