Jun

レリックのJunのネタバレレビュー・内容・結末

レリック(1997年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

人間の脳下垂体を奪い取るトンデモモンスター、コソガの暴れっぷりが楽しいSFホラー。

簡素な語り口で悲劇の舞台が整えられていくので、視聴者は集中して惨劇にのめり込むことができる。密室と化した広大な博物館が魅力的であり、各種パニックホラーの定番ネタが押さえられている点も個人的にはポイント高い。トム・サイズモア演じる警部補が警鐘を鳴らすのも無視して強行開催されるパーティー、この機会に主人公を出し抜いて助成金を得ようとするクソ野郎なライバルキャラの配置(当然碌な結末を迎えない…笑)、ラストは炎にまみれ盛大にモンスターを爆殺。更には猫を犬に置き換えた古典ホラー『エイリアン』へのオマージュなんかも見受けられる。ちなみにクリーチャーデザインは特殊効果の第一人者スタン・ウィンストンの手に依るもの。他の方の感想やレビューでよく「画面が暗い」とされるのはまぁ同意するけれど、これが正体不明の化物にいつ襲われるか分からない緊張感に寄与している点も少なからず有ると思う。画面が明るければもっとクリーチャーの全体像が拝めるのに…というのは十分に頷けるところではあるけれど。また科学者とは対象的な迷信家としてのトム・サイズモアのキャラクター設定も特に物語の展開へ生かされていないのも分かる。私も最初に観たときは「幸運の弾丸」がキーアイテムとなって倒すのかと思ったけれど、まさか本当に幸運のお守りでしかなかったとは肩透かしもいいところだ。でも大好きなんだ、この作品。
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