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i aiのFのレビュー・感想・評価

i ai(2022年製作の映画)
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バンド組んでた時のあのくだらなくも愛しい時間、何もかもどうでもよくて誰彼構わず当たり散らかしてた10代の青い時間、夏に自ら死んだ友達の煙突から出る黒い煙をタバコ吸いながら眺めてた時間、蓋をしてたような時間の鍵をしっかり開けられてしまった。
観終わった後、重くのしかかる生と死の境界線。
言葉に出来ない、胸をザワつかせるような感情を私もきっと持っていて、誰かの自死や多くの選択は勝ったも負けたもなくて、
今私が生きてる現実は誰かのファンタジーだったとしたら、って思って過ごしてみたら重くなるソレは少しは軽くなるのかもしれない。
森山未來にしか演じられなかったヒー兄ぃの強烈な個性が、マヒトワールドにしっかり溶け込んでいた。
富田健太郎の真っ直ぐな瞳も、透明な部分もとても良かった。

上映後の舞台挨拶、目の前にヒー兄ぃがいるというファンタジーのような現実に、再度目頭が熱くなって明るい中普通にまた泣いてました。

エンドロールが終わった後も、共に生きよう。
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