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i aiの1のネタバレレビュー・内容・結末

i ai(2022年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

絶対に地元で観たかった、神戸で観て良かった。主なロケ地は江井ヶ島とか塩屋あたりだと思うけど、その辺はポーアイとかと違って人の跡があまり残っていないのが、海と死生観を絡ませた台詞に説得力を持たせていたと思う。長田が出てきたのもあの混沌した感じが映画に合っていた。神戸はその混沌さが存在していることを許していると思う。

最後のメタ的な語り、映画は映画だと言ってしまうことがある種のマヒトの責任の取り方の気もするけれど、あの語りがなくとも映画と現実の境界線を埋めることは可能なんじゃないか。映画は確かにフィクションでしかないけれど、自省したり、自分の過去を振り返ってしまったり未来を見据える時間が絶対に存在している。(そして、この時間に映画は寄り添うことができない、観客ひとりで孤独に考えることでしかその時間は生まれない)だから映画を観ていても現実を持ち続けているんだと思う。
その瞬間があったのが私にとっては久我が音楽を聴いて泣いているシーンだった。永山瑛太の泣き方もすごく良かった。目に涙を溜め、堪え続けてはついに決壊するような泣き方が、重力や感情に逆らいたいのに、自分ではどうしようもなくコントロールできない現実だった。絵本にもそういう時間があった。

エンドロールで流れるThird Summer of Loveの「エンドロールが終わった後も共に生きよう」という歌詞が頭の中に残る、というかあのちリリース以降ずっとその歌詞をお守りのようにして持っていたけど、その言葉を反映した映画だった、
赤を纏った集団が出てくるのは血が巡っているように見える。よくわからないけれどイーグル・タカが出てきた瞬間、安心した。言葉にすると責任感が伴う、それに恐れないこと

観終わった後、神戸の海を見に行った。空と海はよく似てる
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