さゆ

i aiのさゆのネタバレレビュー・内容・結末

i ai(2022年製作の映画)
2.7

このレビューはネタバレを含みます

物語として画面中に入り込むように見入っていたのに、ラストで突然こちらに向けられた言葉に一瞬で劇場の風景に戻されてしまったのが衝撃でした。
ラストの独白がないときっとこの物語は完成しなかったのはわかる。でもラストの独白の言葉は言葉として観客に伝えなくてならなかったのかが、全体を通してよくできていたと思うだけに疑問に思ってしまう。
芸術的に出来上がっていて、いろんな思想がこもってるのが全てを読み取りきれなくてもあることはわかるのに、なぜラストこちらに言葉として投げかけてしまったのかが残念で、個人的にはそこには余白を残して欲しかったし、それを気づかせる映像で仕上げて欲しかった。

全体的には少し掴みどころがふんわりしていたとも思う。境界線という話だから、この感想も間違ってないとは思うが、正直焦点が合わない不安定さに集中が途切れる部分もあった。
森山瑛太さんや瑛太さんのお芝居の力が強く、少し主人公のコウが中途半端にも見えてしまった。物語としては王道で、だからこそそれが無垢に良かったと思う部分もあれば、もう少し捻りがあっても良かったのではと思った。

こういう映画もあるんだと、観て良かったと思う。
さゆ

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