このレビューはネタバレを含みます
GEZANが好きなのでとても楽しみにしていたがあまり乗り切れなかったのが正直な感想だった。
伝わる人にだけ伝われば良いみたいなスタンスな感じがしたし、解釈の幅が狭まらないようにという意図だったのかもしれないが、解釈の自由よりとっ散らかり感の方が強く感じて、何がしたいのかよくわからないなと思った。軸のない映画に感じた。
最後のシーンも確かにセリフには感じるところがあるが、突如全てをまとめるようにセリフで伝えてしまうのは自分の好きな映画かと問われればあまりだった。セリフで言うのは簡単だし、それを映像で伝えてくれる作品が好きなので、好きなことやって、最後まとめればいいみたいに感じてしまったので乗り切れず。
ただ、やっぱり森山未來の演技はすごかった。まさに怪演という感じで、訳のわからなさをきちんと体現されていて、生きづらい世の中で自分を貫き通し、その掴みどころのないキャラクターを自分のものにしていた気がする。その他、豪華キャスト、瑛太や佐藤ほなみ、きょんきょん等やっぱり演技の安定感がすごくて魅入ってしまう。それに比べて演技経験のないバンド組んでいる若者たちが素人感が強くその圧倒的な差が持つもの持たざるものとの差に見えて普通の人の生きづらさがあまり感じられず疎外感があり悲しくなった。森山未來さんの弟さんは結構良かった。
全体的に期待していた分、面白さが感じられずひたすら演技力お化けの森山未来を見る映画となってしまった印象。でも赤の使い方がとても美しくそこは好きだった。音楽は好きだから、音楽を聴いていきたいと思った。
