EDDIE

i aiのEDDIEのレビュー・感想・評価

i ai(2022年製作の映画)
3.0
もはや森山未來の独壇場…と思いきや今回オーディションで台本全部頭に入れてきて主役に抜擢されたらしい富田健太郎がラストに全部持っていく強烈さ。ハッキリ言って内容は意味不明。だけど熱い。考えるな、感じろってか。赤と青の対比が印象的。

生まれ育った兵庫県明石市でうだつの上がらない日々を送る少年たち。そんな彼らが“I(私・自分)”を見つめ直し、どうしようもできない社会や人生の複雑さの中で“ai(愛)”を見出していく、そんな話なんだと理解した。それにしてもいよいよクライマックスと思った場面からラストまで長すぎるよ。

あとはおそらくドラマ『ウォーターボーイズ』以来?の共演となる森山未來と瑛太。この2人が常人には理解不能なライバル関係を築いていき、お互いに自分ではどうしようもない結末を迎えるなど、若いキャストを彼らの存在感が引っ張るという役割は見応えがあったといえる。

本作は森山未來で彩られている。彼の髪色、服装は赤、そして海や空が物語に起因するが故、赤の存在が映える。炎を纏うシーンや赤い服ばかりが干された街並み、とにかく赤が印象的だ。コンテンポラリーダンスで表現する彼だからこそ、あの危なっかしい表現も全て自然に見せられたのだろう。

というかキャストが地味に豪華。
主要キャストが軒並みさほど知名度の高くない若手で構成される一方、森山未來や瑛太を筆頭に、脇にはさとうほなみ、吹越満、小泉今日子が出演。なんなら脇役が捨てキャラじゃなくみんなに見せ場があり、初監督マヒトゥ・ザ・ピーポー凄いんじゃないか。

〈キャスト〉
コウ(富田健太郎)
るり姉(さとうほなみ)
キラ(堀家一希)
若頭(吹越満)
久我(永山瑛太)
店長(小泉今日子)
ヒー兄(森山未來)

※2024年新作映画58本目
※2024年劇場鑑賞56本目
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