このレビューはネタバレを含みます
“No Reservation” での歯に衣着せぬ物言いと飄々とした姿でファンになり、“Kitchen Confidential” やその他著作も読み彼が行った焼鳥屋を訪れてみるなど一時期それなりにはまっていた。突然の自死報道に大変驚いた。本作では若い頃の映像やオフショットも多くファンには眼福だが繊細さや脆さ、危うさ、寂寥感が人生の後半で増幅される過程が良く分かる。残された仕事仲間や友人達の中にはまだ彼の死を消化出来ていない人もいて自死が与える周囲への影響と罪深さも垣間見られる。
ちなみに、最後の恋人であるAsia Argento (Dario Argentoの娘) の浮気報道が引き金だったかのような描き方になっている。事実はどうあれ彼女も残された人々の一人でありかつmetoo運動のリーダー的存在 (即ち平たく言えば性暴力被害者) でもあり、この人の背負ってるものの重さを想像してやりきれない気持ちになった。
