【威厳】
とあるホテルの一室。
そこにいるのは「光と影」という作品を撮った映画監督フラビオとインタビュアーのアンドレアだけ。
アンドレアはフラビオに映画の公開を控えた今の感想を聞き始める。
当たり障りのない質問のあと、いつしか彼女はわざとフラビオを挑発するような質問をしだす。
「前作は失敗でしたが・・・」 徐々に重くなる部屋の空気。
フラビオは感情的になりインタビューは一時中断。
とりあえず5分間の休憩を挟むこととなった。
もちろんカメラも一旦止めて。
そして、そこからアンドレアの「本当のインタビュー」が始まる・・・・。
たった18分の、そしてたった二人の「シチュエーションドラマ」。
しかし、一本の長編サスペンスを観たくらいに熱量が凄い。
もし物語の温度を測るセンサーがあったら、確実に最初と最後では10℃くらい上がっていただろうというくらいにヒートアップする2人。
そして彼らの間に深く横たわる「光と影」の因縁。
アンドレアはフラビオに「選ぶことのできない選択肢」を選ばせる。
それは、今まで自分の思いのままに弄んできた「被害者たちの声なき声」。
彼がいつも通りの「威厳」を取り戻す方法は「選ぶ」こと以外にない。
メッセージ性もさることながら、演者の熱量はショートフィルムにしておくには勿体無いくらいの迫力。
結構引き込まれる作品でした。