ちろる

一対一のちろるのレビュー・感想・評価

一対一(2020年製作の映画)
3.7
光か闇か

あなたはどちらを選択しますか?

国内外で広く評価をされる映画監督フラビオ・レオンは新作「光と闇」の上映プロモーションのために、一対一のインタビューを受ける。

まだ、若い女性インタビュアーは、はじめこそ当たり障りのないような内容で質問するが、途中から敢えてフラビオを挑発するような質問を投げかけて、フラビオは機嫌を損ねる。
インタビューの空気が不穏になる中で、最初とは別人のように更に高圧的になっていくその目的とは?

女性とフラビオ、インタビューが進むに従って、2人の関係性が変化していく。
かなり緊張感のあるシーンが続き、どんどんと、追い詰められていくフラビオだが、個人的にはこんなんじゃ足りないくらいにフラビオが憎々しくなっていった。

傷は癒えない。
絶対癒えるわけないけど、彼女は光と闇の本当の意味をわからぬまま前に進ませることは出来なかったのだろう。

とにかくすごい熱量の作品で、ショートムービーを見た感覚ではない重みがあった。

この女性と同じような過去を持ってても、多分その恨みを果たせることが出来ない人がほとんどだろう。
そんな人たちがどうか少しでもトラウマから解放されますように。
ちろる

ちろる