ジョー

今はちょっと、ついてないだけのジョーのレビュー・感想・評価

3.3
バブルってひとことで言うけれど、みんながみんな、バブルがはじけておかしくなったわけではない。
左遷、離婚とひとことで言うけれど、みんながみんなそれを挫折と認識するわけでもない。
仕事がうまくいかないとひとことで言うけれど、でも、みんながみんな、仕事で自己実現しようとは思っていない。
本作が描く「挫折」は、描けば描くほど、そんな心境にかられる。
「挫折」の拠り所がシェアハウスという流れも、そんな現実そうそうないんじゃない?と思えてくる。
みんながみんな、そこまで行けなくて必死にもがいている。
それが現実という実態。
カメラマン(玉山鉄二)、サラリーマン(音尾琢真)の「挫折」で言えること。
再生とは趣向を変えることではない。案外踏みとどまることで生まれる。
前向きに自分を変えることを描いてはいるが、実は踏みとどまることの大切さも教えてくれる作品。
ジョー

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