予定調和な映画である。
どうも僕はこの手の映画と相性が悪い。というのも監督(あるいは製作者の)見ている人へのサービスが鼻についてしまうからだ。ほらここは感動するシーン、はい、ここはにこにこ笑って。ここは泣いて、一緒に怒りましょう。さあ最後は感動でフィナーレですよ。おっと少し笑いも入れましょうね。お前は街の写真スタジオか!
破綻が全くないんだよ。全て監督の予定調和の元に進んでいる。観ている方としては「娯楽作なんだからそれでいいのかも」と思うかもしれないけど(基本そこは否定しない)だったらもっとぐいぐい行きなさいよ。観ているものを置いてけぼりにするレベルで描いてみなさいよって不満なの。これは僕が映画に「今あるものから突き抜けるもの」を期待しているからかもしれない。
ポスターを見たときはもっと安田がいろんなトラブルに巻き込まれて苦しむ話かと思っているじゃん。こっち側の想定外の。でも結果はそんなことないの。家族は優しいし娘も優しい。そこにざわざわが全くない。ついでにウィカまで優しいときたらあらあらそんな優しい世界でいいんですかって気になる。
そもそも安田イケメンなのに「平凡だ」って言っていることも違和感。家族に疎外されている風なのに奥さんいい奴だし(小池栄子)娘もっといい奴(岡田結実)。こんな可愛い奥さんと娘二人に囲まれて何が不満なんだって思ってしまいいらいら止まらないっすよ。
と不満です。不満です(二回言う)。でもウィカのキャラクターだけはよかった。というか最初ウィカだってわからなかったからね。実はファースト・サマー・ウイカには少し期待しているの。バラエティでなくもっと映画にも出てほしいなぁって。
まあつぶやきシロー原作だからこんなもんかと不満とともに納得。